アウトレイジ見ました

これは面白かったです。見ていてドキドキしました。
巷の意見を見てみると,特に後半の暴力の描写が結構雑になってくっていう意見もあるみたいですし,それは否定しないけれど,ここで描いている暴力,たけしの映画で言いたい暴力って,それだけじゃないですよね。なんつか,徹底して皆殺しになるところで言いたいんだと思うんです。

 この映画の数少ない癒やし系のキャラクタに大友の嫁がいるのですが,警察に勤める後輩に車を変えるように進言されて,それで大友が嫁に車を変えるように告げるんですよ。そのやりとりで大友が「死んでもいいのか!」って叱るんですけど,嫁はこわ〜いっつて茶化したりする。すごく普通っぽいというか一般人みたいな反応をするんですよね。この嫁は,やくざ稼業にもほとんど関わっている描写がないんですけど,大友が命を狙われて仲間が殺されるなかで,結局殺されるんですよね。そんで嫁の死体の股から血が流れてたりする。
 たけしの映画の暴力って観客の安心感みたいなのを突然壊すようなものを意図しているのかなぁって思うんですよ。例えば,その男凶暴につきで,弾を避けたら流れ弾が一般人の頭に当たっちゃう描写とかですね。もちろんこの映画のウリは,どういう風に面白くかつ残酷に殺すかって部分だけれど,そこはエンターテイメントの部分だと思うのです。殺す場面についてはそのエンターテイメント性で文句を言いたくはなるけれど,たけしが言いたい暴力の本質はちゃんと描かれていたと思いました。

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