ある男性が自分の恋人に取りついた悪霊を祓ってもらおうとします。除霊の儀式が進むと,恋人の背中にバックリ傷がひらいてそこからでっかい悪霊がミョミョーンて出てきます。恋人だと思っていた女性は実は悪霊にとりつかれた死体だったんですよ。。そんで,なかなか悪霊は死体から完全には離れようとしないで暴れるんです。悪霊は半分死体にくっついたままで暴れるもんだからそれにつられて,恋人だと思っていた女の人の無残な死体が振り回されるんですよ。その一部始終を見た依頼者の男が頭おかしくなって,ギャーって叫んで除霊士に殴りかかる。

この話のハイライトは恋人だと思っていた女性が死体になって,悪霊に振り回されるところです。5分前までウェディングドレスを試着したりしていて幸せいっぱいだったのに,次のコマには死体ですからね。。恐ろしいですよ。
他にものろいにかけられた男性の体にでっかいあざができたりと,オカルト色満載なんですが,驚くのがこれが日曜朝に放映される鬼太郎の話だっていう点です。この朝の鬼太郎,深夜の鬼太郎に比べると恐くないっていう批判があるようですが,全然あたっていないと思いました。

思うに,この話は恋人が死人である必要は全然ない。生きた恋人に悪霊がとりついた,ってことにすれば悪霊を祓ってしまえばそのまま恋人は元通り元気になってハッピーエンドになるわけですから。そして作り手側としてはハッピーエンドにしたいっていう誘惑もあるはずですが,そうしなかった。きっとそれは,そうしないほうが断然恐ろしいし面白いからだって考えたからだと思います。そして僕はその通りだと思う。何がいいたいかっていうと,ハッピーエンドよりも恐ろしさとか面白さに重点をおいて話が作られていることを良いと思ったっていうことです。そういうことって思うほど当たり前じゃないはず。

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