蒲田行進曲を見ました

蒲田行進曲がBSでやってたんだけども初めて見ました。おもしろかった。つかこうへいによって極彩色の絵の具で描かれた人間関係(あと松坂慶子のおっぱい)に魅了されました。

死ぬかもしれない階段落ちの場面を銀四郎に乗せられて演じるって決めてしまい、それでのっぴきならなくなっちゃうんだけども、そうなってからヤスを乗せた当の銀四郎が階段落ちで共演することに逃げ腰になってしまいます。
やめることはできない、でも銀四郎は自分の決定を支持してくれない。そこに至って、ヤスは自分の決定を自分で責任をとらなくならなくちゃいけないってことに初めて気づいて苦悶します。これまでヤスは銀四郎(=小夏)に尽くしてきたのだけれど、それはヤスがいい人だからでもなんでもなく、自分で責任をとりたくないからなんです。それでそういう生き方は死にかけても結局変わらないんですよ。階段から落ちて血みどろになりながらヤスは叫びます「ぎんちゃーん!」。

尽くすとか一般に美徳とされる行為の背景にある心理のイヤらしさとか、それを恃みに生きる人間の執念のすさまじさを感じて面白かった。

蒲田行進曲 [DVD]

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