ハスラー2は名作

特筆すべきはおっさんのかっこ悪さなんですよ。おっさん格好つけて「俺は人を見る目がある」とかいって分かった風な生き方をしてるんですよ。そんな人生がイージーモードに入ったおっさんが,フトしたきっかけで現場に入るんですが,何度となくシビアな現実を味わってばつの悪い思いをするんですね。昔取った杵柄が通じないぞとなる訳です。
そうした,ぬるま湯につかったおっさんがノコノコとむやみに危険な領域に踏み込むうちに,とうとうある日,完膚無きまでに叩きのめされて尻の毛までむしられるんですよ。


おっさんは悔しい。ええかっこしてきた若者のまえで泣かされて恥ずかしい。昔すごかったであろうおっさんが現実を見せつけられる姿は残酷です。でもおっさんはそこで活きた世界に向き合いうことで,戦う楽しさを取り戻してしまう。ヒリヒリした空気の中で生きる喜びを求めるようになってしまうんですね。こうなると,むしろおっさんは無鉄砲な若者に戻ってしまう。このおっさんの復帰ぶりが爽快です。最後におっさんは低周波で高らかに叫びます。俺はカムバックしたぞ!

これは世の中のおっさんには堪らなく元気が出る映画なんじゃなかろうか。